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ロイ・フラー Loie Fuller III

★イサドラ・ダンカン、川上貞奴とフラー

 フラーは19世紀後半にヨーロッパに渡り、パリのフォリー・ベルジェなどでショーを行い、大成功を得ます。また当時同じくアメリカ出身のイサドラ・ダンカンや、パリで万博に参加していた川上貞奴ともヨーロッパ公演を行いました。

 こうしてプロデューサーとしても精力的に活動し、ロートレックやロダンなどのベルエポックの芸術家とも親交がありました。

 アメリカ生まれのフラーですが、結局最終的に落ち着いたのはパリでした。自分の弟子達とアメリカ公演のために帰国しますが、1928年にパリで亡くなり、ペール・ラシェーズ墓地で眠っています。

ロイ・フラー Loie Fuller II

★スカート・ダンス

 ロイ・フラーは1862年、アメリカ、シカゴに生まれ、幼少から劇団で子役として活躍していました。ダンスのレッスンも受けていたようですが、厳しい訓練についていけず、どちらかというと女優としての道を進んでいました。

 ある日絹のスカートを着て鏡の前でそれをひるがえしてみたフラーは、「これで面白いショーができるのではないか」と思いつきます。

つまり彼女のダンスは女性の誰でもが鏡の前で少し長めのスカートをはいて、くるっと回ってみた…というのが発端のダンスだといえます。そこから発展して、独特の衣装と照明効果を駆使したスカート・ダンスを完成していきました。

ロイ・フラー Loie Fuller I

Loie Fuller

Portrait of Loie Fuller

★衣装と照明の芸術家

 ロイ・フラーはアメリカのモダンダンスのパイオニアのひとりです。

 彼女のダンスはダンス自身のテクニックではなく、独特の衣装と照明を駆使したショーで知られています。

 上の写真の通り、かなり凝った衣装です。全身総絹で、蝶の羽のようなところはワイヤーを入れていたそうですが、型紙(多分無いと思いますが)はどうなっていたのでしょうか。 この衣装にカラフルな照明を当て、その効果を最大限引き出すための振りを作っています。つまり、フラーの意図したものは、踊りが主体というよりはその衣装と照明が主体でした。